「パパのトリセツ」
著者はおおたとしまささん
本書では、「どうすれば夫がいわゆる『イクメン』になってくれるか」と考えるママたちのために、パパの上手な取り扱い方を説明してくれています。
ママがいちいち指図しなくても、パパが考え判断して、ママや子どものためになることを自ら進んでやってくれる。
みなさんのおうちにいるパパにもそうなってもらうことが本書の目的です。
基本的にはママに向けた内容ですが、私はパパにこそ読んでもらいたい!と感じました。
なかなかパパスイッチが入らない旦那さんに悩むママだけでなく、すでにパパスイッチ全開の育児に熱心なパパにとっても、大きな気づきがあるはずです。
ママもパパも必見!「パパのトリセツ」
本書の構成は全6章に渡ります。
第2章 スイッチの入れ方
第3章 機種タイプについて
第4章 アプリのインストール方法
第5章 故障かな?と思ったら
第6章 日ごろのお手入れ
本のタイトル通り、取り扱い説明書のような形で書かれていますね。
このうち第1章「機能と特徴」、第2章「スイッチの入れ方」の中から、私自身2児の父親として大きな気づき・共感・学びがあった箇所をピックアップして紹介します。
男はいきなり父親になれない
妊娠すると比較的スムーズに母親スイッチが入る女性と違って、男性はいきなり父親になれません。
父親であることを初めて実感した瞬間にはさまざまなタイミングがあがります。
「妊婦検診に付き添って、超音波画像を見て涙が出た」というパパは超優秀。
「出産に立ち会ったとき」「初めて抱っこしたとき」などもかなり優秀です。
「子どもにパパって呼ばれたとき」「ほかの人には人見知りするのに自分には大丈夫だったとき」なんていうと、ママたちからすれば「どんだけ時間かかってんのよ!」って感じかもしれません。
ママが母親としての自覚を持つタイミングと、パパが父親としての自覚にめざめるタイミングの時差が大きければ大きいほど、夫婦間の溝は開きます。
この溝が開きすぎると、「あなた、父親としての自覚はあるの!」となるわけです。
パパの父親スイッチをONにするには、とにかく赤ちゃんと触れ合うことが大事!
パパに抱っこさせて、匂いをかがせて、泣き声をきかせて、五感をフルに刺激して赤ちゃんを感じてもらう。
それが脳科学的にも正しい可能性が高いようです。
子どもと過ごせる日曜日は人生の1%
子どもが「パパ~」と無条件に抱きついてくれるのなんて、きっと小学校に上がるくらいまででしょう。
仮に子どもが6歳になるまで、毎週日曜日を子どもと一緒に過ごせたとして、それは人生のたった1%です。
子どもが6歳になるまで、日曜日は約300日。
人の人生は約3万日といわれています。
割り算をすれば、たった1%なんです。
「育児は今しかできない」ということはわかっています。
でも、実際に1%なんていう数字にしてみると、本当に貴重な時間なんだと実感がわきやすいのではないでしょうか。
ママは「アンタ、飲みに行ってる暇があったらね…」と糾弾したくなる気持ちは抑えて、「人生の1%しかないとっても貴重な時間なのよ」と幸せそうにつぶやいてください。
幸せそうにというのがポイントですよ。
夫スイッチをOFFにしない
パパスイッチがONになるのはいいのですが、父親という役割意識が強くなりすぎて、夫スイッチがOFFになることには気を付ける必要があります。
パパは父親であり、夫であり、男でなければいけません。
父親100%になってしまうと、奥さんを一人の女性として扱うのを忘れ、男としての自覚も薄れ、奥さんから愛され続ける男でいようとする意識がなくなります。
それでも子どもは「パパ~」と慕ってくれるので、それで満足してしまうのです。
しかし子どもが「パパ~」と抱きついてくれるのはほんの数年。
あっという間に時は過ぎ、子どもが友達と遊ぶことを好むようになったとき、色気も甲斐性もないおじさんと化した、パパの抜け殻だけが残るのでは寂しすぎます。
お互いに忙しくても、たまには夫婦の時間をつくりましょう。
ママがそういった時間をつくろうとしているのに、「疲れてるんだよ」とかなんとか言って想いを受け止めてあげられないパパは、夫として失格です。
ママが二人じゃもったいない
男性も育児を!という声が高まっている背景には、日本の家族の在り方の変化が大きく関係しています。
今のような核家族化が進む前、昔の家族は子どもの周りにいろんな登場人物がいました。
いろんな人がいろんな役割を演じていたり、いろんな価値観を子どもに見せたりしながら、豊かな人間関係の中で子育てが行われていました。
サザエさんやちびまる子ちゃんの家庭をイメージするとわかりやすいかもしれません。
お母さんに叱られても、おじいちゃんやおばあちゃんが慰めてくれる。
兄弟や近所のやんちゃ坊主がいたずらやけんかを教えてくれる。
お父さんはダメだといってもおじいちゃんはいいよと言ったり。
タラちゃんには「いいよ」といってもカツオには「ダメ」だったり。
矛盾も葛藤もごろごろ転がっていて、いろんな価値観があって、その幅と奥行きの中で子どもは成長できました。
でも今の典型的な核家族では、親の価値観がすべてです。
ママが一人何役もできればいいのですが、ママはいつの時代もママとしての役割をまっとうするだけでも手いっぱい。
そこで子どもが育つために必要である、側面サポートをしてくれる登場人物の役割を担うのがパパです。
野球にたとえると、ママがエースピッチャー。
そのほかの8つのポジションを守れる、パパはユーティリティプレイヤーを目指しましょう!
パパの悩みのTOP3は夫婦関係
本書の筆者であるおおたとしまささんの運営する、父親のための相談サイト「パパの悩み相談横丁」には、全国のパパたちからの相談がメールで寄せられます。
それらの相談の多くは、次の3つのうちのどれかです。
- ママからの八つ当たりに耐えられない
- ママと子育てに関する方針が食い違う
- やってもやっても認めてもらえない
そう、ほとんどがママとの関係についての悩みなのです。
ママが味方でなくなってしまったとき、パパは孤立してしまいます。
子育て生活における奥さんとの諍いのことなんて、職場の同僚や上司には相談できるはずもありません。
これからはこのトリセツを活用し、子どもの気持ちもパパの気持ちのわかっちゃうママになってください(なってもらいましょう)。
すべてのママ・パパの必読書!
本書は育児に積極的でないパパに悩むママに向けて書かれたものですが、育児に熱心だと自負する(笑)私が読んでも、改めて気づかされたこと、大きな学びになったことがたくさんありました。
良い関係を築くことができているご夫婦も、そうでないことに悩むご夫婦も、すべてのお父さん、お母さんにおススメできる本でした。
今回紹介させていただいた内容は、第1章と第2章の一部です。
具体的なパパの取り扱い方は第3章以降にも書いてありますので、興味を持っていただいた方はぜひ、本書を手に取ってみてくださいね。
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